法人カスタマイズ研修

概要

2009年12月、早稲田総研インターナショナルでは、横河電機株式会社(http://www.yokogawa.co.jp/)において『社内ファシリテーター養成研修』を実施しました。実施の背景から当日の実施内容までの記録を公開します。

※本事例で実施した研修内容は、「実践!会議ファシリテーション研修」の内容をカスタマイズしたものです。

名称 社内ファシリテーター養成研修
「社内ファシリテーターを活用して、技術者のモチベーションを引き上げる」
導入企業 横河電機株式会社
実施日 2009年12月
背景

「横河電機は、世界に誇れる高い技術力を持っていると自負しています。しかし、技術力だけでは先進的な開発はできません。こうありたい、という技術者の思いがあってこそ、よい技術開発が実現します。」そう熱く語るのは、横河電機株式会社のIA(*)事業部長の三奈木さん。「ですから、技術開発を発展させるためにも、まずは技術者の一人ひとりのモチベーションの底上げをもっと図っておきたいのです。」
このような三奈木さんの声から計画されたのが、技術者全員の思いを話し合える場としての「ワークショップ」です。対象者は、事業部内の全技術者1220名。約1年間をかけて、30名程度のワークショップを48回実施することになりました。事業部内にワークショップ実施の事務局が設けられ、着々と準備が進められました。
とは言え、突然大規模なワークショップを実現するのは容易なことではありません。そこで、まずは、このワークショップを実際に担当する「ファシリテーター」を社内で育成することにしました。そのために、早急にファシリテーター養成研修を実施する必要があり、この研修の企画・実施を早稲田総研インターナショナルが担当させていただくことになりました。
(脚注) ※IA = Industrial Automation

実施内容

■実施日時 2009年12月某日 8:30a.m. – 5:15p.m.
■参加者 IA事業部内のマネージャー層20名
■研修の目的 1220名の技術者のモチベーションを上げるためのワークショップをリードするファシリテーターになる!
■目標 研修への参加を通して、
  • ・全技術職研修(=ワークショップ)の目的・目標が説明できる
  • ・全技術職研修(=ワークショップ)当日の流れが説明できる
  • ・全技術職研修(=ワークショップ)当日の各セッションの狙いが説明できる
  • ・ファシリテーターとしての役割がわかっている
  • ・ワークショップの事前準備として、いつ何をしたらよいかわかっている
という状態になる。
■内容 ※本研修は、「模擬ワークショップ」という形をとることで、ファシリテーターとしてのスキル修得に加え、参加者が今後担当するワークショップの流れも同時に確認できる構成になっています。
  • 1.事業部の現状など
    事業部長からのメッセージ
  • 2.グループ討議
    ※各ステップで、ファシリテーターとしての進め方も同時に学習する
    ●課題(ありたい姿)を整理する
    ●課題達成に必要なことを整理する
    ●実行案を出す
    ●発表の準備をする
  • 3.グループ発表、ディスカッション
  • 4.まとめ
■担当講師 早稲田総研インターナショナル ファシリテーター/教育コンサルタント 1名

ワークショップ実施事務局により、IA事業部内のマネージャー層20名がファシリテーターとして研修を受講することが決定しました。2009年12月初旬、横河電機にて『社内ファシリテーター養成研修』を実施しました。当日、研修講師を担当したのは、早稲田総研インターナショナルのファシリテーター/教育コンサルタントです。事前に何度も研修構成を練り直し、1日で最大の効果を上げるよう内容を固めました。研修に参加したマネージャーの方々は、ファシリテーターとしての心構えや実際のアクティビティの進行の仕方などを、実践を交えて学びました。こうして、20名のマネージャーが社内ファシリテーターとなる第一歩を踏み出しました。


研修当日の様子


「技術者として、会社として、ありたい姿」をグループごとに書き出し、共有する


グループ発表を通じて、ざっくばらんな意見交換

受講者の声

  • 実際に自分がファシリテーターとしてワークショップを担当することを考えると少し緊張するが、今日体験したことを、自分なりに再現できればと思う。
  • ファシリテーションとして何を準備したら良いのか、イメージできた。
  • 技術者同士で、考えていることを共有する機会になって、非常に刺激になった。
  • ディスカッションの時間がもっと長くてもよいと思った。実際のワークショップでは、話し合う時間をもう少しとるようにアレンジしたい。
  • 話し合いやすい雰囲気で、リラックスできて楽しかった。

研修効果

講師ではなく「ファシリテーター」を置くことで参加を促す

企業の社内研修を、「講師」ではなく「ファシリテーター」が担当するという話を耳にすることが多くなってきました。講師とファシリテーターは、言葉だけの違いだと思う人もいるかもしれませんが、その役割には大きな違いがあります。

知識伝達型の研修では、講師が知識やノウハウを教え、参加者がそれを理解し、覚えます(=インプットする)。アイディア醸成型の研修では、ファシリテーター(進行役)が、参加者の考えていることを引き出します(=アウトプットする)。必ずしもこのパターンでないこともありますが、たいていの場合、ファシリテーターは、参加者のアイディアを引き出してまとめるまでの舵取り役をすることになります。

横河電機では、技術者の方々を対象に、アウトプット型のワークショップの導入を決めていました。これは、高い技術力を持った技術者の方々から、「技術者として、会社として、こうありたい」という姿を引き出すことにより、モチベーションを上げるためです。このワークショップを、ファシリテーターが担当する方式を導入したのは、2つの点で効果が高いと言えます。

  • 1.技術者が潜在的に持っている「ありたい姿」を引き出し、ディスカッションを通して技術者同士で共有する過程を通じて、モチベーション向上のきっかけをつくる
  • 2.マネージャーレベルの先輩技術者がファシリテーターを担当することで、議論のファシリテーションに深みを出す

普段は受け身でいることの多い人でも、このようなファシリテーターのいるワークショップでは、積極的に参加することができ、結果としてワークショップの効果を上げることができます。

社内の人材が組織にノウハウを残す

企業の社内研修で、社員が講師を務めることは多いと思います。特に、業界特有の技術者の育成については、外部講師を採用するよりも、実務を熟知した社員が研修を牽引する方が、長期的にみて企業が成長するという見方もあります。
横河電機でも、技術者の方々を対象としたワークショップを実施するために、事業部のマネージャーを社内ファシリテーターとして育成することにしました。これは、組織にノウハウを残す最良の方法だったと言えます。まずは、ファシリテーター養成研修自体は、外部の研修コンサルタント(早稲田総研インターナショナル)を導入することで、ファシリテーションの基本や実践方法などのノウハウを獲得しました。次に、その研修で育った人材に社内で活躍してもらうことで、そのノウハウを社内に定着させました。このように、外部コンサルタントや外部講師を上手く活用することによって、社内の人材が組織にノウハウを残せる仕組みを実現させた横河電機は、継続性の高い人材育成を進めている成功例だと言えるでしょう。

改善を重ね、研修の精度を上げる仕組みをつくる

「これから48回にわたりワークショップを実施していきますが、その都度改善を重ねて、内容の精度を上げていきたいです。『社内ファシリテーター養成研修』では、その土台を作ってもらったと思っています。」と語るのは、横河電機IA事業部で研修企画を担当する野崎さん。2010年、20名の社内ファシリテーターが、1220名の技術者を対象に順次ワークショップを実施します。
既に何度もファシリテーターを務めるIA事業部人財育成責任者の滝瀬さんは、「2010年7月現在、既に19回のワークショップを完了しています。回数を重ねるごとに進め方もブラッシュアップして、参加者の満足度も上げていきたい」と、残り29回のワークショップへの意気込みを語ってくれました。

早稲田総研インターナショナルのスタンス

早稲田総研インターナショナルとしては、1日限りの研修を実施するにとどまらず、ワークショップの組み立て方、ファシリテーターの育成方法など、横河電機の社員のみなさんが社内で継続的にノウハウを蓄積・共有できる環境を作る、そのスタートアップをお手伝いさせていただきました。研修実施後も、たびたび進捗をご連絡いただきながら、その成果を一緒に実感しています。今後も、横河電機のみなさんのよきパートナーとして、組織の人材育成をサポートさせていただきます。

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