医療コースでは、日本医療メディエーター協会の認定プログラムである「医療メディエーター養成講座」を中心に、医療コンフリクトとは何か、コンフリクト・マネジメントと医療安全の関係、医療メディエーションの理論とそのスキルの基礎などを体系的に学んでいきます。
医療コンフリクト・マネジメントとは、医療メディエーションの技法を用いて、医療事故という不幸な出来事をめぐって患者側、医療者側双方に生じた感情的混乱や不信、生活環境の変化などさまざまな問題を、訴訟のように敵対的・限定的にではなく、対話を通して、できるかぎり協働的かつ柔軟に解決していこうとする考え方です。
訴訟が過去の医療行為をめぐって回顧的に責任認定するのと対照的に、将来志向的によりよい方向を創造的に模索し、事故にかかわった患者側と医療者側双方に、事故体験の自律的克服への手がかりを提供しようとするものです。ただし、対話といっても単なるカウンセリング手法やコミュニケーション技法だけで解決するほど、医療紛争は単純ではありません。患者側・医療側の錯綜した紛争についての認知や感情、事実を冷静に分析し、そこから解決へ至るパスを見いだし、その方向へ向けてナビゲートしていく、そのような技法が必要となります。この紛争マッピングという分析手法を中心に、ロールプレイを用いてトレーニングを実施していきます。
このトレーニング・プログラムは、財団法人日本医療機能評価機構で提供しているコンフリクト・マネジメント研修プログラムと同等のものであり、医療の質・安全に携わる医療関係者(事務職も含む)向けのコンフリクト・マネジメント講座です。
日本医療メディエーター協会が院内医療メディエーターとして認定する対象は、医療機関内でメディエーションを実践する医療機関職員(医療有資格者に限定しない)です。院外の第三者が医療メディエーターとして活動する場合、弁護士以外の者が紛争処理業務を含む法律業務に携わることを禁じた弁護士法に抵触する恐れがあります。この点に配慮し、医療メディエーター養成のための研修において、対象を医療機関職員に限定しています。非医療機関職員の方は、「ベーシックコース」のご受講をお勧めいたします。
※初めてメディエーションを学習される方は、医療メディエーションのベースとなる心と感性を育み、コミュニケーション理論をじっくりと深く学ぶために、「ベーシックコース」を事前ないし事後に受講されることをお勧めいたします。
医療メディエーターの必要性がよく分かった。また、ロールプレイで患者役をすることで、患者側の思いや心の動きを体感することができて、そういう意味でもとても勉強になった。(40代・看護師)
本を読んだだけではわからない実際の場面をロールプレイですることで実体験することができた。自分のナラティブと関わっていて、心理的にも深いところとも関連していることに気付いた。(50代・医師)
今後も継続的に講座を受講し、関係する勉強会にもできるだけ出席して力を付けたいと思います。(40代・医療事務)