従業員の会社に対する満足度とその要因を測る。
A社の経営者は「最近なんとなく、従業員のモチベーションが低下している」と感じていました。その「なんとなく」を客観的に分析するために、従業員満足度調査を行うことにしました。
全社員にアンケートを実施。

総合満足度、設問別満足度ともに、男女別、部門別など属性ごとに分析することができます。
総合満足度

設問別満足度

ポートフォリオ分析
「ポートフォリオ分析」は、各設問の満足度を縦軸に、総合満足度に対する影響度(相関関係)を横軸にして表したものです。

A社の場合、社員は仕事のやりがいについては高く評価し、満足しています。仕事への評価もおおむね公正であると感じています。これらの要因が満足度を押し上げているといえます。
人間関係や福利厚生については、全体の満足度に大きく影響しておらず、重視しなければならないほどの不満ではないようです。
しかし経営方針・組織変更などについては評価が低く、満足度を下げている要因であり、早急に改善が必要なことがわかりました。
また、年齢別、職種別、男女別に分析することで、「中堅社員層に不満が多い」といった構造も明確になりました。
社員が企業に対して満足を感じているかどうかは、仕事そのものへの満足度や職場環境など、さまざまな要素に左右されます。
不満に対する本質的な解決策はどこにあるのか、それを探るためには、統計的な分析が必要です。
満足度にかかわる要因を細かく分析していく手法は、もともとフレデリック・ハーズバーグの「動機づけ衛生理論」(二要因理論)に依拠する考え方から発展したものです。
フレデリック・ハーズバーグは、人間の欲求には2種類あると仮定しました。
(1)精神的に成長したいという、人間としての高レベルな欲求
(2)苦痛や欠乏状態を避けたいという、動物としての低レベルな欲求
そして調査の結果、職場において、ある要因は1の欲求を満たすが2の欲求は満たさず、別の要因は2の欲求を満たすが1の欲求を満たさない、という結論を導き出しました。
ここから彼は、満足度を構成する要素は「動機づけ要因」と「衛生要因」の2つに大別されるとしました。

動機づけ要因は、仕事のやりがいや評価など、仕事へのモチベーションにかかわるもの。満足度に大きく寄与します。
一方の衛生要因は、たとえば衛生状態が悪ければ著しく健康を害するものの、衛生状態が良くても健康が増進されるわけではないように、不十分なら大きな不満を引き起こすけれど、充足されていてもモチベーションを高めることにはならないものです。
満足度を引き上げるには「動機づけ要因」を刺激する必要があり、不満が多い場合には「衛生要因」を改善する必要があります。「満足度」はこのような多重構造を持つために、量的な把握だけではなく、統計的分析が必要となってくるわけです。

SmartSTATは、想定される要因を簡便に質問項目に取り込むことができます。分析によって見えてきたものを対策に反映させ、継続的に調査を行うことで、各組織に固有の「満足度構造」を検証し、改善するための強力なツールとなります。
[ 参考文献 ]
菅民郎「すべてがわかるアンケートデータの分析」(現代数学社)
吉田寿「社員満足の経営」(日本経団連出版)