Quonblog~ただいま○○中~

 出会ったのは3カ月前。引っ越しの直後だった。
最初は歩いている彼を見かけただけだった。
近所に住んでいるらしく、すれ違いざま、ときどき彼と目が合った。
ご近所でも人気がある。
彼を呼びとめ、話す人の姿をよくみかけた。
彼は現在決まった職がないようだった。
でもあんな人懐こい性格なのだから、再就職も容易だろう。

 そんなある日、彼のほうからアプローチしてきたのだ。
珍しいこともあるものだ(フケセン?)。

彼はいまどきの流行りには珍しく、見るからに健やかな男性である。
それなのに彼は優しい。ささやく声も静かだ。
手をとりあうときも、そっと差し出す。
私を見つめる目のきれいなこと。
彼が駆け寄って来る時は、うれしさでめまいがする。

 ああ、いけない。うちにごろごろしている家族に申し訳ない。
そう思っても、夜そっと家を抜け出して、彼に会いに行ってしまう。
何しろこんな経験は随分と久しぶりなわけで、
ときめく私の気持ちも、ご理解いただきたい。

 ある日、隣の奥さんと話していたら、彼が通りかかった。
奥さんが彼に呼びかけた。
「●●、帰ってきたの?おかえり」
なんと、彼は隣の息子だったのだ。
「しょっちゅう外をうろついているんですよ。どうぞ宜しくお願いします」

やっぱり!と私は思った。
求職中であるわけがない。彼は随分前に再就職したのだ。
たぶんたくさんのオファーがあり、今でもあちこちから誘いがあるに違いない。
私もうっかり、「うちに来ない?」と言うところだった。

 手を噛むときも、それはそれはそっと噛む。
遊んでいても決して爪はたてない。
これほど配慮に富んだ猫は珍しい。
見つければ、遠くからにゃあ~と呼びかけ、親密に駆け寄ってくる。
もともと野良だったに違いない彼は、だからいまだにちゃんとした男性で、
飼い猫のように去勢されていないのだ。

 今夜も私は外に出て、彼の姿を探す。
ガラス戸のなかからは、内猫たる当家の猫たちが彼を興味津々で見つめている。
都会や人間社会のルールから、今日も彼は自由だ。
それなのにとても愛されている彼が、少しうらやましい。
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